一色 雄生(いっしき ゆうき)


合同会社ワンカラー代表。大学卒業後、保健体育教員として特別支援学級にて勤務するも、自分の仕事に疑問を感じ、全国100ヶ所で30種類以上の仕事を経験。その過程で出版の世界に出会い、2019年1月に同社を設立。電子書籍のプロデュース事業等を行う。


いじめを受けたことがすべてのきっかけ

現在のお仕事内容について教えてください。


2019年1月に合同会社ワンカラーを設立し、電子書籍の出版をプロデュースする事業を中心にWEBディレクター業を行っています。お客様は主に、経営者やインフルエンサーなど、パーソナルブランディングのニーズがある方々です。


お客様のニーズに応じて、インタビューやライティング、編集、書籍化の手続きなどをオーダーメイドで支援しています。電子書籍は紙の書籍と違い、非常に低コストで出版できることが大きなメリットです。著者のストーリーを書籍として安価に出版し伝えることで、PRに役立てられる点に好評をいただいています。


また、出版事業から派生して、イベントプロデュースやファッションブランドづくりなど、新たなビジネス開拓も積極的に行っています。挑戦と反省を繰り返しながら、当社のサービス領域を少しずつ広げる日々です。

一色さんは、学校教員を経て起業されていますね。珍しい経歴かと思いますが、経緯を伺えますか?


「人の人生に影響を与える」というのが僕の一貫した軸で、その手段が変わっていった結果、このような珍しい経歴になりました。


人の人生に影響を与えたいと思ったのは、中学時代にいじめを受けたことがきっかけです。下駄箱の靴がなくなっていたり、自分の机がひっくり返されていたり。そんなときに支えになってくれたのは、所属していたバスケ部の顧問の先生でした。いじめられていた僕に、居場所を与えてくれた。


まさに自分が顧問の先生にしてもらったように、僕も人の人生に影響を与えたい。そう思ったとき、教師という仕事を自然に目指すようになりました。もともと両親とも教員だったので、家庭環境の影響もあったかもしれません。


大学卒業後、晴れて保健体育の教員として公立学校に採用されました。担当したのは、特別支援学級の立ち上げです。さまざまなカリキュラムやガイドラインを作成したことが評価され、5年間で3校で勤務し、それぞれの学校で特別支援学級を立ち上げるという、教員としてはかなり変わった経験ができました。今思えば、後の起業にも通ずる「事業を立ち上げる面白さ」はこの経験を通じて味わったのかもしれません。


特別支援学級の立ち上げは、確かにやりがいのある仕事でした。しかし同時に、どこか満たされない感情も抱えていたんです。「人の人生に影響を与えるために教員になったけれど、本当にそれを実現できているんだろうか」「自分が本当にやりたいことって何だろう」と。


そこで、経験したことのないことに飛び込んでみようと思い、公務員を退職して、私立の非常勤講師をやりながらさまざまなアルバイトに手を出しました。コンビニ、飲食店、引っ越し、水道管工事、警備、テレアポ営業、バーテンダー、ドライバーなど、その数30種類、場所にして100ヶ所に及びました。また、ヒッチハイクなどを通じて多くの人に出会いながら、必死に自分探しをしました。


そしてあるとき、思い至りました。「本だ」と。出版を通じて、不特定多数の人に影響を与えていく。これはまさに自分が追い求めていたやりたいことのように思えました。これまでに出会った人のつてを頼り、出版会社の編集長と知り合うことができました。幸いかわいがっていただき、出版やビジネスの基礎を叩き込んでもらったんです。


紙の本の出版には、最低でも200万円ほどのお金が必要ですが、当然私にはそんな貯金はありません。そこで注目したのが電子書籍です。「これなら今の自分にでもできるぞ」と、一念発起して2019年にワンカラーを創業し、現在に至ります。

“So excited!” という気持ちを大切に

お話を伺いながら、ものすごい熱量が伝わってきました。何が一色さんの原動力になっているんでしょうか?


好奇心ですね。昔から “So excited!” と感じる自分の気持ちを大切に、面白そうなことを衝動的にやっちゃうタイプでした。いじめられた経験があるからか、負けず嫌いなところもあって、やるからには徹底的に、自分が満足するまでやるということが板についていたんだと思います。

今後、どのように事業を展開していきたいですか?


今、出版業界に大きなインパクトを与えるであろう仕込みをしているところですが、実は事業展開はあえて細かく決めないようにしています。大事にしているのは、そのときその瞬間、僕が「面白い」と感じることをやるということ。


この仕事の一番の醍醐味は、さまざまな見聞を持っている方とつながることができ、その先に無限の展開可能性があることです。電子書籍はあくまでもフックであり、それだけにこだわるつもりはまったくありません。たとえば以前、ファッションモデルをされているお客様から相談を受けた際には、電子書籍で写真集を出版し、さらにファッションブランドを立ち上げるという取り組みも行いました。今後も、依頼されるお客様の個性と、私にできることを掛け合わせ、面白い事業を仕掛けたいと思っています。


ちなみに、目下準備しているのは、集団お手玉のギネス記録の樹立です。現在の記録を打ち破るには1580人が必要なんですが、5000人、欲を言えば1万人規模でこれを成功させるべく目論んでいます。コロナで世の中全体が暗いムードに包まれているからこそ、みんなで盛り上がれるイベントができたらめちゃくちゃ面白いじゃないですか。感染が落ち着いたタイミングで開催できればと思っています。