秋山 義紀(あきやま よしのり)


出版プロデューサー、メディアディレクター。小学校教師からWebライターとして独立し、クラウドソーシングサービスで全国3位の月間契約数を獲得。現在は本やメディアの戦略提案をするかたわら、副業や独立、まちづくりの支援を行う。


教師時代の疑問から独立を決意

現在のお仕事内容について教えてください。


「人々の仕事の可能性を広げる」をキーワードに、複数の事業に携わっています。


メインの活動は出版プロデューサーです。出版プロデューサーとは、本を出版したい方と出版社をマッチングしたり、本の執筆や編集をサポートしたりする仕事です。


一般的には著者をサポートして本を世に送り出すことが出版プロデューサーのゴールですが、私は著者となるお客様が、ご自身をブランディングしたりPRしたりするためのツールとして、出版をご提案しています。クラウドファンディングやオンラインサロンといった手段も活用し、本を出して終わりではなく、その後の収益化の仕組みづくりまで提案しています。


また、副業や独立を目指している人を支援する活動もしています。働き方が多様になる中で、副業を始めたい方は増えてきていますよね。様々な働き方を提案し、副業を始める後押しをすることで人生が豊かになるようなサポートができればと思い、活動しています。現在は、シングルマザーやシニア層も自宅で簡単に収入が得られるような仕事が人気です。

どのような経緯で現在のワークスタイルになったのでしょうか?


ファーストキャリアは小学校の教師をしていました。もともと子どもが好きで、人に教えることも大好き。子どもたちの教育に携わることは非常にやりがいがありました。


教師になって6年目のこと。妻の妊娠をきっかけに人生を見直す機会が訪れます。教師は、給与や福利厚生は充実しています。しかしその一方で、役職が上がるにつれて仕事量は増え、家族との時間は減る・・・そんな生活では、体がもたないと思いました。


今後の人生をを真剣に考えたときに、「果たして、この働き方を続けていて本当に幸せなのか?」と自問しました。パラレルワークやリモートワークなど、今はいろんな働き方ができるにも関わらず、公務員だとどうしても制約がある。10年後、20年後を想像すると、教師として働き続けていくイメージが湧かなかったんです。


「人生は一度きり。だったら、もっと自分の可能性を広げられるフィールドを模索しよう!」と思い立ちました。いち教師としてではなく実践者としてイキイキと働く姿を見せることで、教え子たちにも「人の数だけ働き方があるんだよ」「未来は明るいよ」ということを教えられるのではないか。そう思い、キャリアチェンジを決意しました。


今後の人生を考え直して第一に優先したかったのが、自分の子どもの成長を間近で見届けること。教師を退職してからは、家族との時間を意識してキャリア設計をしていきました。まずはクラウドソーシングサービスを利用して、在宅ワークで働くことにしました。仕事は「子育て」と「旅行」の2つのテーマで記事を書くこと。実績を積むために「誰でもできることを、誰にもできないくらいやろう」と、がむしゃらに記事を作成。登録から2ヶ月で月間契約ランキングは全国3位になりました。


Webライターとして実績ができ、新たな道を探していたところ、奇跡的な出会いがありました。電車で隣の席に座っていた方が出版社の社長さんだったんです。


本が好きで、昔から自分の本を出版することが夢だった私は心踊りました。「実は本を出したいと思っているんです!」と話してみたら、「じゃあ事務所に遊びにおいで!話を聞くから。」と言ってくださいました。結果的に様々な要因でその本の出版は叶わなかったんですが、原稿を見て、出版プロデューサーとして仕事を始めることをオファーしてくださったんです。この出会いは、私の未来を切り拓く大きなきっかけになりました。

ご家庭やご自身の将来を考えて大きな転身をされたんですね。今のお仕事を通じてどんな価値を届けたいですか?


本の出版をサポートすることで、著者の方々の事業に対する悩みを解決したいと思っています。


私が出版をお手伝いさせていただくお客様は個人事業主や会社経営をしている方が多く、事業を広めたいという思いでご相談に来られます。たった一冊の本を出すだけでも、その方の実績や事業を世の中に発信することができるんですよね。本を出版することによってお客様の事業を推進させることができます。私は、お客様の事業という水車を動かす水のような役割でありたいと思っているんです。


出版プロデューサーの楽しさは、本の著者となる方々の「生き様」を聞けることです。これからはさらに個人が注目されていきますし、どのように生きるか、人生で何を大切にしているかという軸をしっかり持つことが求められると思っています。たくさんの方々の成功や失敗を聞き、本にしていくことで、私自身もこれからの生き方の選択肢が広がる。それを生業にできるのはありがたいことだなと感じますね。


ただ、出版プロデューサーというポジションはあくまで著者さんとの関わりのみに限定されてしまいます。だから私は、具体的な生き方をもっとたくさんの人に提案していきたいと思い、副業や独立の支援を始めました。在宅でも、シングルマザーでも、シニアでも無理なく働ける仕事はありますから。また、最近は「まち」そのものを舞台にして、「まち」の特徴を生かした働き方や仕組みづくりにも携わっています。

「行動する」ではなく「関わってみる」の精神で夢への一歩は踏み出せる

今後の展望を教えてください。





今は新たな挑戦として、地方でのコミュニティづくりに関心があります。地方で暮らしている地元の方はその生活環境が当たり前になっているので、地元の資源や魅力に気付かないことも多いんです。そこで、私は外部の視点からそのまちの魅力を見つけて紹介していきたいと思っています。


また、今はパソコン一台、スマホ一台でできる仕事が増えているので、地域による仕事の制約が少なくなってきています。地方でのこれからの仕事づくりにも携わっていきたいですね。


お互いを認め合い、感謝し合える空間はこれからすごく大切になると思うんです。そのようなコミュニティをつくることが私の夢です。さらにそんなコミュニティが各地にできたら、地方も元気になります。0→1で資源や魅力を創るのではなく、今あるものを生かす。それがこれからのまちづくりだと思います。


私がコミュニティづくりに着目している理由は今後の働き方にあります。これからは副業することが当たり前になる時代。フルタイムで本業をするとして、副業も時間を切り売りする仕事だと体力的に大変です。また、家族や友人との時間の確保が難しくなり、精神的にも苦しくなりかねません。


そこでキーとなるのが組織づくりや仕組みづくりであり、環境に束縛されないフレキシブルな働き方です。やはり、「仕事のための生活」よりも「生活のための仕事」という感覚で仕事に取り組めたほうが良いですよね。お金稼ぎそのものが目的にならないように環境を整えていきたいです。


コミュニティづくりを通して、人とつながる。感謝する。認める。そんな心を大事にしたいです。これからは「日本」や「社会」ではなく、「地球」のために手を取り合わなければならない時代です。そのような視点で考え、行動できる人は、“生き残る”だけの人生ではなく、未来を切り拓く“生き抜く”人生を送れる人なんだと思います。

今後は新しいことにも挑戦しようと考えているんですね!秋山さんのように、夢に向かって一歩踏み出すにはどういったことを意識すれば良いと思いますか?


「考える前にとりあえず行動しよう!」そんなアドバイスは世の中にあふれています。でも、経験がないことに対していきなり行動に移すのはなかなかハードルが高いですよね。


私はすこし肩の力を抜いて「関わってみる」ことを意識するようにしています。たとえば「将来こうなりたい」という夢があったときに、少しだけ周りの人に夢を話してみるとか。ごく親しい友人だけでも良いんです。人に話すことで、自分の中の夢のイメージが具体的になりますし、応援してもらうことで夢は実現しやすくなります。思いがけない仲間も見つかるかもしれません。


「行動する」という意識でいると、「結果を出すこと」を自分に課してしまうんじゃないかと思うんです。そうすると、結果が出なかったときに苦しくなってしまう。だからこそ、夢に対して「関わってみる」の精神で始めてみるのが良いんじゃないでしょうか。