野北 瑞貴(のぎた みずき)


広告会社にてマーケティングに従事。イベント開催やオウンドメディア運営を通じ、自社の見られ方、選ばれ方を変えるためのPR・ブランディングを担当。


ジャズサークルで夢中になった、心を動かす場作り

現在のお仕事内容について教えてください。


広告会社でマーケティングに従事しています。広告会社といってもクライアントとのプロジェクトからは離れ、自社のPRやブランディングを通じて弊社のファンを増やす仕組みを作る仕事です。具体的には、イベント開催やオウンドメディアの編集長的な役割、新しいソリューションの座組を作る等、活動は多岐に渡ります。


入社してからその仕事に至った経緯を伺えますか?


入社後しばらくは、広告営業とクライアントのプロモーションサポートを担当しました。ときには飛び込み営業をしたり、クライアントの展示会出展をサポートしたり。でも、マネージャーになった頃、自分のやっている仕事にしだいに違和感を抱くようになってきたんです。「何か足りない視点がある」と。


それは、マーケティング全体、引いては経営の視点です。クライアントと会話していると、マーケティングにおいて取り組むべきことのごく一部、4P(※ Product, Price, Place, Promotionからなるマーケティングのフレームワーク)で言うプロモーション領域のみの会話に終止してしまう歯がゆさがありました。このままでは、クライアントの課題を根本的に解決することはできません。そこで、人に提案をする前にまずは自分自身がマーケティング全体に広い視野で携わりたいと思い、営業部長に直訴。社長直下のマーケティング部を社内に新設していただき、今に至ります。

単なるプロモーションサポートへの違和感が転機になったんですね。もともと広告会社を選んだのはなぜだったんでしょうか?


今の会社には新卒から勤めていますが、そもそも広告会社を選んだのは、大学時代のサークル活動が大きなきっかけです。


もともとジャズやフュージョンが好きだった僕は、大学時代にジャズ同好会を設立。当時、趣味としての音楽の主流はロックで、ジャズ好きは少数派でした。それでも、少しずつ同好会のメンバーを増やし、数年後にはサークルに昇格するまでになったんです。ジャズの良さを多くの人と分かち合いたくて、学園祭での公演には並々ならぬ情熱を注いでいました。


サークル活動を通じて、僕は人の心と行動に変化が起きる場を作ることが好きなんだということに気付きました。まさに学園祭でのジャズ公演のように、熱量に包まれた場。そんな思いから、心に訴えかけ行動を変化させる手段としての広告に興味を持ったんです。

マーケティングは経営に欠かせない機能

現在のお仕事を通じて、どのようなことを実現していきたいですか?


2つ思うことがあります。


まずは、世の中におけるマーケティングという概念の地位をもっと高めたいと考えています。販売促進やカタログ作成は、マーケティング活動のごく一部にすぎません。しかし実際は、多くの企業の経営層が、マーケティングをその本質よりも小さな概念として捉えていることに問題意識を持っています。その状態では、現場の担当者が思うように動けません。


ものづくり立国だったかつての日本では、良い物を作って販路を増やせばそれだけで売れたように思います。しかし、顧客ニーズがこれだけ多様化し、物があふれる今日では、「誰の何を解決したいのか」を最上段に据えた真のマーケティングなくしては、物が売れない時代になりました。そこで、マーケティングは経営に欠かせない機能だという認識を、経営者や管理職に広めるべく、彼らを対象にイベントを開催するといった取り組みを行なっています。また何より、弊社のマーケティング活動が他社の手本になることを目指し、経営に近い立場で様々な施策を立案・実行しています。


加えて、我々広告会社自体も変わっていかなくてはなりません。クライアントが独自で得られる情報量が飛躍的に増えている中、広告枠を仕入れて売り、マージンをいただくだけの従来のような代理店ビジネスをしていては、介在価値が限定的になってしまいます。クライアントの課題を深く理解した上での、単なるプロモーション施策に留まらない包括的なマーケティング提案、そしてそれを具現化するクリエイティブ。こうした付加価値が、多くの人の心を動かす力に変わっていくんです。自社を中から変え、リブランディングすることで、それを実現できればと考えています。

最後に、今後3~5年で取り組みたいことについて教えてください。


自分が関わることで、少しでも未来がハッピーになる、明るくなる、空気が変わるような貢献を多方面で行なっていきたいです。やはり僕の原点はあくまでも、学生時代に熱中した場作りにあります。人の心を動かし、空気を変え、行動を促す場作りを今後も継続したいですね。広告やマーケティングは手段であり、それにこだわるわけではありません。


究極的には、常に誰かの役に立っていたいというのが僕の根底にあります。最近は、プライベートで地元成田市の町おこし支援に携わり始めました。場を作るという関心を発端に、20年後の成田を今以上に過ごしやすい状態にしていきたい。そのために、まずは仲間を増やし、空気を作るところから取り掛かりたいと思っています。