貝野 綾(かいの あや)


アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社で、Scaled Service Specialistとして法人クライアント獲得プロジェクトをサポート。以前の勤務先では主にPMO (Project Management Office) としてプロジェクトマネジメント業務に従事。


家庭教師アルバイトで発揮したプロジェクトマネジメント力

まず、現在のお仕事内容について教えてください。


アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社で、Scaled Service Specialistとして法人営業のセールスのサポートを行なっています。顧客企業向けの資料作成や翻訳、商談進捗や法務部門と連携した契約管理等を通して、円滑なセールス活動をサポートする仕事です。企業一括での契約を前提としているので、1つひとつの案件規模が大きく、プロジェクトマネジメントに近い働き方が求められます。また、外資系企業なので、英語でのやりとりも必須です。社内イントラやメールは英語でやりとりを行います。


前職では、外資系ヘルスケアメーカーでPMOに所属していました。PMOとはProject Management Officeの略で、社内で動いているさまざまなプロジェクトの管理を専門的に行う部署です。病院向けに医療機器を導入するプロジェクト等に従事し、定例ミーティングの主催や進捗管理、多言語での議事録作成、各部署から選出されているプロジェクトメンバーのコーディネーションを行なっていました。


今の仕事も、業界や職種名は違えど、業務内容は共通する部分も多く、プロジェクトマネジメントの経験が非常に役に立っています。


外資系を選んだのは、英語を使える環境に身を置きたかったからです。高校時代はオーストラリアに、大学時代はフィリピンに留学していたので、考えてみるとずっと英語を使っているんですよね。英語で海外のお客様とやりとりをするグローバルな職場環境はとても刺激的で、やりがいを感じています。

業界や職種を変えながらも、プロジェクトマネジメント業務に携わっているんですね。プロジェクトマネジメントに関心を持った経緯について伺えますか?


はい。大学のゼミでプロジェクトマネジメントを学んだので、実務に活かしたいと思ったのが仕事選びのきっかけです。


プロジェクトマネジメントに携わって6年になりますが、つくづく私に向いている仕事だなと感じています。子どもの頃から、目標に向けて計画通りにコツコツ努力をすることが嫌いではないどころか、大好きだったんです。これまでも、総代として卒業したり、修士論文で専攻長賞を受賞したり、勉強や研究で成果を残してきました。目標に向けてスケジュールを組み、日々の勉強や研究を自己管理することは、まさにプロジェクトマネジメントに他なりません。


また、今思えば、大学・大学院時代のアルバイトでもプロジェクトマネジメントに近いことをやっていました。家庭教師・塾講師を6年間務めていたのですが、小1から浪人生まで、のべ30人の教え子は全員第一志望に合格していきました。私自身がやっていたようにスケジュールを組み、毎日の学習をコツコツ進めるように指導しました。


特に印象に残っているのが、私が大学1年生のときに受け持った中学生の生徒です。4年間も不登校状態だった彼女の成績表は「オール1」という惨憺たるものでしたが、私が担当してから少しずつ学校に通い始め、ついには副生徒会長にまでなりました。志望していた専門学校にも合格し、アニメ好きが興じて現在はイラストレーターとして活躍しています。


彼女に「学校に通え」なんて言ったことは1度もありません。最初は授業をすっぽかされたりもしましたが、彼女が好きだったアニメを私も勉強して、アニメグッズのお店に一緒に行くことで信頼関係を築いていきました。「学校に行くよ」と言ってくれたあの瞬間は、一生忘れません。人は変われるんだと確信しましたね。

理想の仕事は「富士そば」の天ぷらそば

より良い仕事をするために意識していることは何ですか?


私の大好きな「富士そば」の天ぷらそばのような仕事をすることです。


え、どういうことですか!?


天ぷらって、家で作るのはなかなか大変ですよね。富士そばでは、そんな手間のかかるものがすぐに出てきて、しかもおいしい。おまけに値段はたったの430円。富士そばの天ぷらそばのように「早い・安い・うまい」の3拍子が揃った仕事、つまり、期待値を越える成果物を素早く納品することを常に心がけています。


たとえば議事録。要点をもらすことなく簡潔に、欠席者にも会議内容が伝わるように記述するのは案外難しいんです。私は、日英問わず、議事録は会議後すぐに発行するというマイルールを定めています。以前、会議後すぐに発行した議事録に驚かれた初めての取引先の方に「すごすぎる。宇宙人か!」と言っていただいたときは嬉しく思いましたね。

それは嬉しいですね! 他にやりがいを感じることはありますか?


家庭教師をしていたときもそうだったように、プロジェクトマネジメントをしていると、自分の働きによって、プロジェクトそのものやそれに関わるメンバーに変化を与えられることがあります。それはこの仕事の醍醐味の1つです。


大規模なプロジェクトになればなるほど、関わるメンバーはベテランの方が多くなります。その中で、私のような若手が期待値を越えようともがいている姿は、彼らの刺激になるようで、私の仕事への向き合い方がプロジェクトに好影響を及ぼしていると伝えられたときは報われた気持ちになりました。確かに、以前よりもプロジェクトの進捗がより順調になったり、1人ひとりの熱量が明らかに上がったなと感じたりすることがあるんです。この仕事をやっていてよかったと思う瞬間ですね。


期待値を越える成果物を出し続けることは決してラクなことではないですよね。貝野さんのモチベーションの源泉は何でしょうか。


「愛」です。商売とは、究極的には愛だと思うんです。トイレを掃除するのは、人に心地よく使ってほしいからですよね。プロジェクトマネジメントも同じで、関わった人に幸せになってほしいから、そのために最大限の愛を注ぐ。そんな想いで、これからもより多くの人を幸せにできる人間を目指していこうと思っています。