成宮 大翔


東京大学農学部卒。新卒でコンサルティングファームに入社し、ITコンサルタントとして3年間大規模システム開発のプロジェクト管理に従事。2020年4月よりメダップ株式会社で病院向けSaaSのカスタマーサクセスを担当。会社で勤務するかたわら「多くの人が幸せに働ける社会」の実現に向けて活動中。


将来の起業のための一貫したキャリア選択

現在のお仕事内容について教えてください。


2ヶ月前に日系総合コンサルティングファームから転職し、メダップという社員数8人の医療系スタートアップでカスタマーサクセスとして働いています。


弊社は、病院の営業・マーケティングを支援するCRMをSaaSとして提供していて、僕は顧客である病院へのツール導入や運用のサポートを担当しています。8人の中の1人となると当然責任は大きく、弊社の急成長にさらに貢献すべく、日々励んでいます。


大手企業から一転、少数精鋭のスタートアップに転職されたんですね。背景を伺えますか?


将来的に起業して、自分で事業を立ち上げたいと思っているので、それに向けた経験を積むために転職しました。大学卒業後にコンサルティングファームに入社したのも、起業を前提に基本的なビジネススキルとITに関する実務経験を身につけるためでした。

起業を見据えたキャリア選択を貫かれてきたんですね。


はい。前職では、大規模業務システムの要件定義やプロジェクトマネジメント、品質管理などを3年間行いました。なかなかタフな働き方をした時期もありましたが、だからこそ入社当初に得たいと思っていたスキルや経験を一通り得ることができました。


一方で、自社もクライアント企業も大手であるが故に、会社という組織がどのような仕組みで動いているのかを俯瞰して見ることは難しい環境だったんです。その穴を埋めたいと思い、担当していたプロジェクトが終了したタイミングで転職を決意しました。


会社の全体像を把握するためにも、前職とは打って変わって、社員数10人以下のスタートアップに的を絞ろうと考えました。とは言え転職活動らしい活動はしておらず、ビジネスマッチングアプリ「Yenta」を通じて弊社代表の柳内に出会い、その場で入社を即決。ここがまさに自分の求めている環境だと直感したんです。これだと思ったら、バシッと一発で決めちゃうタイプなんですよね。

そもそも起業しようと思ったのはなぜでしょうか?


1度きりの人生、どうせなら少しでも社会に大きなインパクトを与えられる人間になりたいと思ったからです。


もともと僕は、将来のことを真面目に考える方ではありませんでした。中高は地元京都の進学校に通っていましたが、明確な将来の目標を持つわけでもなく、部活や受験勉強をなんとなくこなす日々。そんな中でも周りから認められたいという思いだけはあったので、偏差値が高いという理由だけで東大を志望し、なんとか合格することができました。


一方、長期的なビジョンもないまま入学しているだけあって、東大に入ってもやりたいことなんて特になく、なりゆきでボート部に入部。来る日も来る日も厳しい練習という怒涛の毎日で、将来のことなんてなおさら考える余裕はありませんでした。


転機になったのは、大学2年生の秋。部内で選手からマネージャーに転向したんです。他大学との対校戦に向けて幹事として半年かけて準備を進めたり、部内のいろいろなことを管理する役割が、意外と性に合うことに気付きました。ビジネス風に言えば、プロジェクトマネージャーのような仕事が自分に向いているんじゃないかと、ビジネスの世界への進路が視野に入ってきたんです。


僕は理系入学で、周りの友人や先輩はほとんどが大学院に進みます。しかし研究に興味を持てなかった僕は「これ以上この世界にいてもしょうがない」と思い、4年で卒業してビジネスの世界に出ることを決めました。就活を開始し、自分の将来について思考する中で絞り出した答えが、起業して社会を良くしたいという思いです。具体的な領域は決まっていませんでしたが、起業したいという思いは明確でした。

幸せに働く人を増やしたい

社会人を3年経験した現在は、どんな分野で起業したいとお考えですか?


現時点では人材か教育の分野を考えています。


社会人を3年間やってみてつくづく思うんですが、働くってまだまだ楽しいことではないというか、生活のために仕方なくやっている人が多いなと。人生において、仕事に割く時間は決して少なくありません。その時間を少しでも楽しくすることは、人生の幸福度を高めるのに不可欠だと思うんです。


僕自身、自分のキャリアのこと、将来のことを本格的に考え始めたのが就職活動を開始してからで、決して早いほうではありません。「もっと早いうちから考えておけば」と思うことはたくさんあります。一方、これは僕だけの問題では決してないと思っていて、同じように後悔している人はきっといます。さまざまなロールモデルのキャリアや生き方に早くから触れる機会が圧倒的に不足しているんです。


就職活動を振り返っても、大学受験と同じように、企業偏差値のような概念があって、少しでも偏差値の高い企業に就職しようと、みんな一生懸命対策します。しかし、たとえ偏差値の高い会社に入ることができても、いきいきと働けているとは必ずしも言えない。むしろ、目標を失い、盲目的に仕事をこなしている人すらいる状況です。


そんな課題を解決すべく、今すでにプロジェクトを進めています。キャリアに関する視野を広げる機会を若い世代に提供するための学生コミュニティです。まだ試験的に始めている段階ですが、このコミュニティをとっかかりにして、一人でも多くの学生が長期的に見て納得できるキャリアを選択できるようサポートしていきたいと思っています。