千葉 麻有(ちば まゆ)


フリーランス。ドローンを使った映像制作、アプリ・オンラインゲームのプロジェクトマネジメントやプランニング、キャラクターデザイン、Webディレクションやコーディング、SNS運用、イベント企画やステージ進行、MC、YouTuberなど、多方面で活躍する。ドローンパイロットやフリーランスをはじめとするスキルアップのコミュニティ「華飛(はなび)」を主宰。


舞台役者から始まった私のキャリア

現在のお仕事内容について教えてください。


フリーランスとして働いています。活動の幅は広く、ドローンを使った映像制作、アプリ・オンラインゲームのプロジェクトマネジメントやプランニング、キャラクターデザイン、Webディレクションやコーディング、SNS運用、イベント企画やステージ進行、MC、YouTuberなど。これまでのキャリアで身に付けたスキルをフル活用しています。


最近は、ドローン映像制作に特に力を入れています。お客様は地方の観光局や地元企業が中心。地域のPR動画に空撮を取り入れることで、地元の方ですら見たことのない、その地域の新しい表情を演出できることが醍醐味です。山梨県のとある町で親しまれる、巨大な観音像の目線の高さから町を撮ってみたときは、映像を見た地元の方々からワッと歓声があがりました。


また、個のフリーランスの力をチームの力に変え、大きなプロジェクト単位で仕事ができるようにする枠組みづくりにも取り組んでいます。2019年には「華飛」というグループを立ち上げました。これは、フリーランスや複業メンバーの互いのスキルをシェアすることで、一人では受けることのできない大きな仕事をチームで取り組むための「個の集合体」です。人生100年時代、新しいスキルを身につけ、自由に働きたいと思っている方の背中を押せるコミュニティにしていきたいと思っています。

驚くほど多様な活動をされているのですね。さっそく、そのようなスキルを身につけるに至ったこれまでのキャリアについて教えてください。


ひとつひとつのスキルを身につけていった経緯を話すには、ファーストキャリアにまで遡る必要があります。


実は私のファーストキャリアは、役者です。中高は演劇部。演劇系の専門学校を出て、フリーランスの舞台役者に。当時はこの道一本で食べていこうと本気で思い、実際に幕末ものなど、いくつかの舞台にも出演しました。でも、やっぱりこれだけで生活していくのは難しくて。実際はアルバイトで食いつなぐ日々でしたね。


バイトするのなら、役者にも活かせる仕事をやりたいと思い、イベントコンパニオンを始めました。司会の仕事にも挑戦した経験が、現在のイベントMCの仕事につながっています。


さまざまなイベントに携わりましたが、特に楽しかったのは、次世代ワールドホビーフェアといったゲーム・玩具系のイベントです。ゲームをやる女性は今ほど多くはなかったと思いますが、私は当時からゲーマーでした。兄がいたこともあり、家にはスーパーファミコンからプレステまで一通り揃っていて、よく一緒に遊んだからです。イベントで、新作ゲームの試遊コーナーに集まる子どもたちの弾ける笑顔を見ていると、何だか私までワクワクしたのをよく覚えています。


イベントの仕事が軌道に乗り、その収入源が多くなると、しだいに「本業は役者だ」と言いづらくなってきてしまって。そのタイミングで役者をやめ、イベントの仕事をメインで受けていくことにしました。


そんな折、ゲームイベントのご縁で、あるオンラインゲームの運営会社から「うちで働かないか」と声をかけていただいたんです。ゲーマーとして「やってみたい!」と直感的に思った私は、その会社でも仕事を始め、ゲーム内のイベント企画やユーザーサポート業務に携わるようになりました。プレイヤーとしてではなく、運営側としてゲームに関わることは、とても新鮮で楽しめました。


25歳になると、このままイベントの仕事を続けていくのかを考え始めました。結婚式の司会者など、いくつか選択肢があったんですが、どれもあまり魅力的には感じられなくて。ゲーム会社で関わっていたWeb制作会社の社長に「Web制作をやってみないか」と誘っていただいたのはそんなときでした。


手に職をつけたいという思いもあって、その会社で働くことに。人生初の正社員です。ものづくりには興味があったので、まったくの未経験だったWeb制作も、楽しみながら学ぶことができました。無機質なHTMLにCSSをあてると、劇的に美しくWebページが変化するのを見て「これはすごい!」と、デザインにものめり込んでいきました。好きこそものの上手なれと言いますが、1年あまりでコーディングもデザインも実務レベルでできるようになり、その後はディレクション業務も担当。ここで手に職をつけたことは、現在のフリーランスとしての活動のベースになりました。


会社の状況も変わり、次へのステップを考え始めたとき、やはり大好きなゲーム分野で働きたいと思い始めました。次の仕事として選んだのは、オンラインゲームのディレクター職です。当時は、いわゆるソシャゲの全盛期。GREEやガンホーなど、さまざまなゲーム会社がしのぎを削っていた時期です。各社、最先端の技術やトレンドを自社のタイトルに惜しみなくつぎ込んでいて、IT技術の最先端で仕事をしていることに大きなやりがいを感じました。


こうしてキャリアを振り返ってみると、自分が好きだと思うことを一貫してやってきたなとつくづく思います。役者に始まり、MC、Web制作に、ゲーム。ジャンルは異なりますが、結果的にはそのすべての経験が今の仕事に通じているところも面白いですね。

自分にできることが増えれば、相手の課題に寄り添える

本当にその通りですね。そういえば、ドローンの操縦スキルを身に付けたご経験がまだ登場していませんね。


ドローンとの出会いもまた偶然です。あるとき、昔の役者仲間から「バーベキューをやるから来ない?」と誘われたんです。そういうお誘い自体は別に珍しいことではなく、いつものように気軽に参加しました。そのバーベキューにたまたまいらっしゃったのが、ドローンスクールを経営している方でした。


お話を伺うと、「Web制作周りで困っている」というので、相談に乗ることにしました。でもあるとき「報酬をお支払いするので、正式にサポートしてほしい」と言われたんです。それをきっかけに、勤め先を業務委託契約に変更してフリーランスになり、その会社のWeb制作を仕事として受けることにしました。


ドローン操縦技術は、そのときに身に着けたものです。スクールの講座をちゃっかり受けさせていただいて、例によって「これは楽しい!」と感じ、ハマっていきました。ただ飛ばすだけならともかく、カメラを取り付けて、構図を思うままにコントロールできるレベルになるには、かなりの練習が必要なんですよ。コントローラーを握る感覚はゲームと共通する部分が多く、黙々と練習を重ねることで上達していきました(笑)。

これまでのキャリアを取りこぼしなく今に活かされているところが素敵ですね。


偶然のご縁の支えもあり、自分が楽しいと思うことをやってきた結果としてそうなったという感覚です。1つのスキルに依存しないからこそ、相手の課題に応じて自分にできることを最適な形で組み合わせてお手伝いできるのが、今の私の持ち味だと思っています。


相手の課題に徹底的に寄り添うからこそ、当然ながら自分の力だけでは解決しきれないことも少なくありません。だからこそ「華飛」のように、フリーランスや複業の個の力を結集し、チームとして大きな課題に取り組むことができる枠組みが必要だと思ったんです。


最近は、場所にとらわれない自由な働き方が注目を集め、フリーランスになりたいと思う方も増えています。一方、自由だからこそ苦しいところや、自分の力でしっかり頑張らなければいけない部分があるのもまた事実。「華飛」を通じて、自由な働き方を実現したい方の支援にも今後取り組んでいきたいと思っています。