笹本 康貴(ささもと こうき)


1992年生まれ。フリーランスマーケター。新卒でマイクロアドに入社し、3年間新規営業に従事後、独立。フリーランス1年目で年収1000万円を達成。


フリーランスだからこそ、チームワークを重視

現在のお仕事内容について教えてください。


1年ほど前に独立し、フリーランスのマーケターをやっています。NTTドコモをはじめ、複数社から業務委託を受けていて、商品企画やプロジェクトマネジメント、広報戦略設計やSNS運用など、仕事範囲は多岐に渡ります。

マーケティングを専門にしたフリーランスはまだまだ珍しいですよね。1年やってみて、いかがでしたか?


まず良かったなと思っていることは、何より「フリーランスになってもちゃんと稼げる」という実績を作れたことです。独立前、不安はもちろんゼロではありませんでしたが、どんな状況でも結果を出すことを大事にして、年収1000万円を稼ぐことをひとまずの目標にしていました。それが達成できたことは大きな自信につながりました。


一方、大変なこともあります。ITエンジニアやデザイナーと違い、企画やマーケティングは目に見える成果物を定義しづらい仕事です。そのため単価の相場観というものが明確でなく、自分で自分を値付けしなくてはならない。その交渉は会社員時代には経験したことのないものだったので、手探り状態でした。特にまだ実績がない頃は、やる気とパッションしかアピールするものがない状態でしたから。


また、フリーランスだからこそ意識していることがあります。業務委託先の環境にしっかりと馴染む姿勢を見せることです。「僕はフリーだから」と、他の正社員の方とは一線を画すような態度をとるのではなく、ひとりのメンバーとしてチームに溶け込むことは大事だなと思っています。そうすることで「また一緒に仕事したい」と思ってもらえる。目指すは、リピート率100%です。


フリーランスだからこそ、チームワークが大切だというのは、自分にとっても大きな発見でした。やはり、ひとりでできることには限界があるんです。だからこそ、人間関係の構築に一層気を遣うようになりました。相手がやってほしいことをやるとか、感謝の気持ちを伝えるとか、人として当たり前のことを当たり前のようにやるように意識しています。

経済的・時間的自由を得るために独立を決意

苦労を乗り越え、目標を達成されたのですね。フリーランスという道を選んだきっかけは何だったのでしょうか?


直接的なきっかけは、生き方のロールモデルとなる方との出会いです。夫婦でお店を経営されている方で、「このまま一生会社員を続けていくのかな」とモヤモヤしていたときにアドバイスをいただいたことが転機になりました。


学生時代、複数社でのインターンを経験した後、新卒ではネット広告事業を行うマイクロアドに入社しました。新卒社員の配属実績がそれまでなかった新規事業部で、営業職として精力的に働きました。


楽しく、やりがいもあったのですが、入社して2年ほど経ったときふと、朝早くから夜遅くまで働き詰めの毎日に疑問を抱きました。この生活を一生送っていくと思うと、何だか納得しきれず、かといってどんな生活が理想なのか、明確なイメージは持てない状態でした。


それ以降、仕事を効率よく切り上げ、社外の方との関わりを努めて持つように生活スタイルを変えました。飲み会や異業種交流会には積極的に参加し、同年代を集めて「平成4年会」を自ら企画・開催しました。そういった活動を通じたご縁で、先ほどのロールモデルの方と出会ったんです。

「何をするかよりも前に、目標を定めよう。」その方は、言いました。「目標があってこその手段なのに、若い人たちは何をするか、手段ばかりに気を取られている」と。確かにその通りだと思いました。これまでの仕事経験を通じて、世の中の移り変わりの速さは痛いほど感じていたので、何をやるか一点に固執することはむしろリスキーにすら感じられました。


改めて自分がどうなりたいのか、目標を考えてみると、彼と同じように、経済的・時間的両面での自由がほしいと思いました。これには僕の育った家庭環境が少なからず影響しています。


建設会社に勤めていた父は平日休みで、学校があった僕と時間的にすれ違い、周りの友達に比べて父と一緒に遊ぶ機会が少なかったように感じます。小4から塾に通った僕の学費を捻出するため、母は深夜まで働いてお金を作ってくれました。子どもながらに申し訳なく思うと同時に、お金というものの大切さをひしひしと感じていました。


そんな両親の姿を見て育ったため、いずれ僕が家庭を持ち父親になったとき、子どもがやりたいということは自由にやらせてあげたいし、習い事の発表会は見に行ってあげたいと強く思ったんです。それが自分にとって一番の幸せだと。そのためには、経済的・時間的自由を獲得することが不可欠だと結論付けました。


ただ、フリーランスとして独立することが始めから念頭にあったわけではありません。転職活動も行いましたが、本当に自分が求めている経済的・時間的自由を獲得できるのかを問うたとき、より大きな挑戦をしてみようと思ったんです。


フリーランスマーケターとして、今後挑戦していきたいことを教えてください。


独立前に目標にしていた、年収1000万円というマイルストーンは達成できました。今より一層活動の幅を広げて自分の付加価値を高めていくことが次のステップです。


フリーランスもマーケティングも、目標に対する手段のひとつでしかなく、そこにこだわっているわけではありません。むしろ、目の前のクライアントの課題を解決するために自分に何ができるのか、自分のできることをベースに仕事をするのではなく、あくまでもクライアントの課題に対してコミットできる人材になりたいです。


究極的には、自分の行動によって人に影響を与えられる存在になることが理想です。本田圭佑選手は、「職業は何ですか?」という質問に対して「チャレンジャーです」と答えています。僕自身がチャレンジャーとして「目標を決め、達成し続ける」という生き方を実践することで、「自分も頑張ってみようかな」と一歩踏み出すチャレンジ精神が多くの人に伝染していったら嬉しいです。